短編エッセイ『年収1900万を超えたデザイナーの叫び』を読んだ感想


短編エッセイ『年収1900万を超えたデザイナーの叫び』を読んだ感想です。クリエイター、デザイナー向けの短いエッセイ本を読んだレビュー記事です。インハウスデザイナーになりたい人、デザイン業界に入りたい人におすすめの内容です。


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『年収1900万を超えたデザイナーの叫び』感想



出版社:ナンバーナイン
発売日:2024/05/17
ページ数:51ページ
読了時間:20分※あくまで筆者の場合
備考:挿絵はNovel AIを利用して生成

このエッセイのターゲットは主にインハウスデザイナー、デザイン組織に不満をかかえている人、デザイン業界に就職・転職したい人です。なので、デザイン知識ゼロの人にとっては少し難解かも。

社内でデザイン業務を担うインハウスデザイナーについて詳しく知りたい人はAdobe公式ブログを参考にしてください。わかりやすく解説されています。

ここで言うデザイン業界とは、Web制作、プロダクトデザイン、UI/UXといった業務がある会社のことを意味しているのだと推測します。グッドデザイン賞やiFデザインアワードとか受賞するような国内企業のことです、多分。

内容は、初っ端「スキルマップ」「デザインシステム」といった業界用語が出てきます。スキルマップについてはバリバリ和製英語なので私でもよくわからず。画像検索して把握しました。

多分、個々のデザイナーのスキル(企業であれば得意分野)を数値化したインフォグラフィックのことです。業界によってフォーマットが全然違うようなので、レイアウト的に無理かもしれないけど図解を入れる必要性を感じました。

スキルマップのテンプレート

全体の流れとしては、お題のような形式でマンガのイラスト(セリフ付き)が挿絵のような感じで挿入されているんですが、その問いかけと言うのか、デザイナーに対する不満が辛辣すぎてドキッとしました。

普段からインハウスデザイナーの存在に疑問を感じている人なら頷けると思います。デザイナーを悪く思ってない人からするとビックリしちゃいます。特に焦ったのがデザイナーのバックグラウンドに関する以下のセリフ↓

「え?今度は漫画家?社内PRのマンガ作りたいから?漫画作り終わったらどうするんですか?デザインチームに入れてくれ?漫画制作って外注じゃダメですか?」

いや、普通に怖いって。これに対する著者の説明もエグイ。一級建築士とか元漫画家の人たちを「変な職種」「変なバックグラウンド」と、2度も「変な」呼ばわりしているので、センシティブな人は苦手な文章ですね。

それとは別で気になったのが、「最近合併した2社」といった表現。全く見当がつかないので、せめて何年何月か記載してほしい。ブログとかだったらこういう表記の仕方でも全然OKなんですけど。

最後の締めくくりは「...」で終わる形だったのでモヤモヤさせる書き方でしたが、著者は色んな企業を渡り歩いて苦労してきたというのが伝わってきました。それも年収1900万越えなので最大手の企業で活躍した人の貴重なお話。

まあ色々言ったけど、良いデザイン組織の見極め方、就活面接時の質問の仕方、デザイナーの本質的な価値など経験者にしかわからないことが記されていました。より良いデザイナーになるためのヴィジョンが示されています。

多くの人に読まれることを想定していないエッセイなので、業界の実態とかリアルな話をプロのインハウスデザイナーから聞きたい人におすすめしたい本です。サクサク読めるのでお昼休憩のお供にどうぞ。



購入先・ダウンロード先


年収1900万を超えたデザイナーの叫び』は以下のサービスから購入またはダウンロードできます。Kindle Unlimited、ブックウォーカー(単行本多め)、コミックシーモア(マンガ多め)は読み放題になるサブスクプランがあるので◎。

Kindle Unlimited

まんが王国

ブックウォーカー

DMMブックス

コミックシーモア
Natchan

ゲームが好きなグラフィックデザイナー。複数のサイトを運営中。子どもの頃からPCゲームで遊んでました。1番最初に遊んだのはSecond Life。デザインとは飽きない程度に関わっていくつもり。詳しくはこちら

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