『原田治展「かわいい」の発見』の感想@釧路市立美術館


『原田治展「かわいい」の発見』を釧路市立美術館で観覧してきたので感想と作品をシェアします。普遍的な"かわいさ"を堪能できる展示会です。

1950・60年代のアメリカのカルチャーから影響を受けた今は亡きグラフィックデザイナー、原田治さんの作品展に参加してきたレポです。


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展覧会の基本情報


via 特設サイト

タイトル:原田治 展「かわいい」の発見
英語名:Osamu Harada: Finding ”KAWAII”
開催場所:釧路市立美術館
開催期間:2024/08/31(土)-10/27(日)
営業時間:10:00-17:00 ※入館は16:30まで
チケット料金:一般1,200円、高大生600円
写真撮影:OK ※一部撮影不可
混雑具合:空いてる


原田治 展「かわいい」の発見


入口すぐのところに展示されているのが「リトル・ドッグ」。PARCOのためにデザインされた表紙です。


1980年代発売のPOP EYEとBRUTUSの表紙も。ミック・ジャガーが似てる!



雑誌だけじゃなく、絵本や文庫本の表紙もたくさん手掛けていました。



イラストレーターとしてデビューした1972年発売「an・an」の表紙がこちら。本展の目玉ともいえる作品。


当時の雑誌の中身まで一部展示されていて面白かった。当時は洋服店・飲食店・雑貨店が共存する商業施設というのがなかったから、ラフォーレみたいなのがすごく斬新だったみたい。


古き良き東京・京都・大阪のマップも面白かった。古地図マニアにはたまらないと思う。


「ビックリ・ハウス」は1975年に創刊された、読者参加型の紙面づくりで構成されたサブカルチャー誌。治さんは「明石町先生」というペンネームで活動していたそう。


アメリカのダイナーで働いてそうなウェイトレスのキャラクター、色んなところに登場しますね。


これらはおそらく映画のファンアート。上の画像の左側が『The Maltese Falcon』(1941)、右側が『Flower Drum Song』(1961)。


上の画像の左側は赤ずきんちゃん?作品は特定できず。右側は『Tammy Tell Me True』(1961)。


治さんのイラストって、大人の女性よりも少女の方がずっとかわいいと思ったのは私だけじゃないはず。以下の作品は、英国の童謡『マザーグース』をモチーフにしています。


治さんはイラストの在り方について、「あくまで大事なのはテーマや内容に沿っていること」と語っています。だから、仕事に応じて自在にスタイルを変えて作画していったのですね。


ここからは企業とのコラボ企画で生まれたオサム・グッズたちを一挙載せます。


上野動物園とのコラボ。モコモコした帽子がかわいい。


くまのプーさんのオマージュが特にかわいらしい。キュンっとしちゃいました。ディズニーが著作権にうるさくなかった時代に制作されたのかな。キッズブランド「MOONY」とのコラボ。


この困り顔と小さすぎるキャップがかわいすぎる。



ポテトチップスのキャラクターは治さんが生みの親だったとは意外でした。


治さんが手掛けたロゴで最も有名なのがECCジュニアじゃないかな。


プリッツのパッケージもこれ以上ないくらいブランドイメージに合ってる。


個人的に一番好みだったのが、ミスタードーナツとのコラボ。


以下の天使の輪をドーナツに見立てたTシャツがどストライクだったので欲しかったけど、グッズショップには残念ながらなかった。


愛知県の引っ越し会社で現在も使用されているウェルカム・バスケット。こんなかわいい箱、絶対処分できない!



オサム・グッズはイラストだけでなく、パッケージやロゴタイプなど、色・形・素材といったすべての要素に気を配って自らデザインし、数千点のアイテムが制作されました。



オサム・グッズは自社製造せず、様々なメーカーにイラストを提供する、いわゆるライセンスグッズとなっています。


このレトロなデザインのコームに一目惚れしたので、グッズショップで見つけたときは嬉しかった。


2005年に開設されたブログ『原田治ノート』で取り上げられた人懐っこい飼い猫のシャケちゃん。2016年11月19日、他界する5日前に公開されたのが最後の投稿になりました。


還暦後は、1年の半分ほどを島のアトリエで過ごし、抽象絵画を好きなように描くことに時間を費やしました。自分のためにのみ描くことを信条としたため、その作品を人に見せることはありませんでした。以下がその作品です。


きっと幸せな余生を過ごされたんだろうな。


一番左の方が原田治さん。

終始一貫してぼくが考えた「可愛い」の表現方法は、明るく、屈託がなく、健康的な表情であること。
そこに5%ほどの淋しさや切なさを隠し味のように加味するというものでした。


最後に|コラボカフェとグッズ



釧路市立美術館にあるカフェで、治キャラのラテアートが飲めるということで寄ってきました。再現度高くて満足しています。カフェの閉店時間は展示会が閉まる時間よりも早いので気を付けてください。

それと、グッズショップも同じです。展示会が閉まる時間よりも早く閉店します。しかも、入場したその日にいかないとグッズは購入できません。誰でも出入り自由ではないんです。

ちなみに、私が購入したグッズがこちら。公式オンラインストアからでも注文できますが、展示会のグッズショップにしかない商品もあると思う。


そして、グッズ購入者は特大ポスターがもらえます。必ずもらえるとは限らないので受付の人に事前に確認したほうがいいかも。私の場合はスーツケースの中に入れたくなかったので、ラップにくるんで機内に持ち込みました。


たまたま釧路に長期滞在していたときに、この展示会を知って原田治さんを知れてよかった。展示会をきっかけにオサム・グッズのファンになりました。

今回ここに載せていない展示品まだまだあるので、ぜひ生で観てきてください。本展は全国巡回展なので、次の開催場所は公式サイトから確認できます。



Natchan

ゲームが好きなグラフィックデザイナー。複数のサイトを運営中。子どもの頃からPCゲームで遊んでました。1番最初に遊んだのはSecond Life。デザインとは飽きない程度に関わっていくつもり。詳しくはこちら

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